プロジェクト " 日本の童話絵本を世界へ "
~ 映像・朗読・音楽のコラボレーションによる ~
平井元喜が演奏活動の傍らアウトリーチ(啓蒙活動・社会貢献)の一環として、作曲家・演出家・プロデューサーの立場で2007年より続けている国際文化交流プロジェクト・教育プログラム。
【公演の様子】 (2007 - 2012)
Video Edited by Noriko Sugiura
【プロジェクトの歴史】
グリム博物館 (ドイツ)など各地で絵本の朗読会を主催した経験をもつ岡田眞樹・駐デンマーク大使 (当時)が、2007年夏にデンマークで行われた日本文化祭の演目として、"映像・朗読・音楽"のコラボレーションによる日本の優れた童話絵本を紹介するイベントを企画し、当時、演奏旅行でデンマークを訪れていたピアニスト・作曲家の平井元喜に宮沢賢治作品など3つの童話絵本をテーマにした音楽を委嘱。平井元喜は『3つの絵本のための組曲』を作曲し、絵本をスライドで映写しながら、デンマーク人俳優がデンマーク語のテキストを朗読し、オリジナル音楽を二人のヴァイオリニストが演奏する、という形で初演された (2007年8月17日、フレデリクスハウン市)。当日会場には、一般客のほかに政府要人、フレデリクスハウン市長、各国大使・外交団も臨席し、「芸術的に優れ、エンターテイメント性も高く、同時に"日本独自の文化の紹介、国際文化交流、教育"の観点からも深い内容を持つプログラム」として、各方面から好評を得た。初演の成功以来、プロジェクト"日本の童話絵本を世界へ"として、様々な言語で、ヨーロッパ・中近東・アフリカ・米国の主要劇場、国際フェスティバル、各種学校など世界各地で紹介され続けている。
【プロジェクトの意義】
1. 長きにわたり人々に愛され、世界十数カ国語に翻訳されている日本の童話絵本の名作を、映像・朗読・音楽のコラボレーションを通して海外へ紹介する新しい試み。
2. 既に海外に浸透しているアニメ・TVゲームとは一味違った日本独自の感性に溢れた物語と挿絵の美しさ、各作品に込められたメッセージの深さ、普遍的テーマを、海外の人々に味わってもらう。
3. 朗読、楽器演奏は、開催地の言語で現地のアーティストを起用することができるため、参加型の国際文化交流となる。一例として、2012年11月、空爆の最中行われたイスラエル・パレスチナ公演では、ユダヤ系とアラブ系のアーティストが協演し、ソフトパワーによる中東和平実現を目指した。(日本語での朗読、邦人演奏家の起用も可能。また、海外の童話・民話、絵本を同時に紹介し、比較研究することもできる。)
4.使用する絵本作品には、環境問題、人間の傲慢さ、文明の弊害、平和、生と死、家族愛など、現代社会に訴える深いテーマが織り込まれており、教育プログラムとしても意義深い。また、音楽も各作品を効果的にサポートする形で配置されている。
5.物語・絵本・音楽の質の高さ、分かりやすさ、面白さが相まって、子供から大人まで幅広く楽しめる夢のある企画である。
【作品の概要】
☆ 絵本&童話:
『 モチモチの木 』 |
斉藤隆介作、滝平二郎画 (岩崎書店:1971) |
『 注文の多い料理店 』 |
宮沢賢治作 (1924)、スズキ・コージ画 (ミキハウス:1987) |
『 100万回生きたねこ 』 |
佐野洋子作・画 (講談社:1977) |
『 浦島太郎 』 『 走れメロス 』 |
作者不詳 (民話・御伽草子)、笠松紫浪画 (講談社:1953) 太宰治作 (1940)、竹内道雅画 (ほるぷ出版: 2009) |
『 ねこと七夕 』 |
高崎晋介作、パナ・スタモス画 (オックスフォード・ブルックス大学文庫: 2013) |
『 鶴の恩返し 』 |
作者不詳(民話)、ピーター・デイリー画 (オックスフォード・ブルックス大学文庫: 2013) |
『 花鬼 』 |
藤沢文翁[大介]作、小林敏也画 (文芸社: 2006) |
☆ 音楽:
『 3つの絵本のための組曲 』 |
平井元喜 作曲 (2007) |
『 “モチモチの木” のための音楽 』 |
平井元喜 作曲 (2011) |
『 “注文の多い料理店” のための音楽 』 |
平井元喜 作曲 (2011) |
『 “100万回生きたねこ” のための音楽 』 |
平井元喜 作曲 (2011) |
『 “浦島太郎” のための音楽 』 |
平井元喜 作曲 (2012) |
『 “走れメロス” のための音楽 』 |
平井元喜 作曲 (2013) |
『 “ねこと七夕” のための音楽 』 |
平井元喜 作曲 (2014) |
『 “鶴の恩返し” のための音楽 』 |
平井元喜 作曲 (2014) |
『 “花鬼” のための音楽 』 |
平井元喜 作曲 (2014) |
楽器編成:
2つのヴァイオリン、またはピアノソロ
(ヴィオラ・チェロ・フルート・尺八・和太鼓などの追加も可能)
【所要時間】
10~90分程度
絵本1作品から上演可能。数作品を自由に構成することもできる。詩の朗読やトーク、パネルディスカッションなどを同時にプログラミングすることも可能。また、プログラム前半または後半をコンサートとすることも可能である。
【プログラム構成例 1】
音楽1: Prologue (前奏曲) (約3分)
朗読&スライド&音楽: 『モチモチの木』 (約15分)
音楽2: Interlude (間奏曲) (約3分)
朗読&スライド: 『注文の多い料理店』(17~25分)
音楽3: Romanza (ロマンツァ) (約4分)
朗読&スライド: 『100万回生きたねこ』(約8分)
音楽4: Epilogue (終曲) (約4分)
~休憩~
朗読&スライド&音楽:『浦島太郎』 (30~40分)
(※『浦島太郎』は、ストーリーの随所に音楽が挿入される。和太鼓を任意で追加可能。また、他の3話も各シーンに音楽を効果的に挿入する版もある)
【プログラム構成例 2】
朗読&スライド&音楽: 『モチモチの木』 (約15分)
朗読&スライド&音楽: 『100万回生きたねこ』 (約15分)
(※【プログラム構成例1】と異なり各シーンに音楽を挿入)
レセプション&ドリンク、またはコンサート、レクチャー等
【会場の規模】
30席~1,000席程度
【開催場所】
シアター、アートセンター、コンサートホール、美術館、ギャラリー、各国大使館・領事館・大使公邸、学校(小中高)、大学・大学院、幼稚園、保育園、児童館、研究所、日本語学校、病院、老人ホーム、会議室、視聴覚室、各種フェスティバル、海外での日本関連イベント、ほか
【紹介記事&レビュー】
|
|
|
|
|
|
|
|
【主な開催地と実績】
2007年8月: デンマーク (世界初演)会場: 日本文化祭 (フレデリクスハウン市) |
2008年11月: 英国 (初演)会場: ウエストミンスター・アカデミー (ロンドン)対象: 高校生 演目: 『モチモチの木』、『注文の多い料理店』、『100万回生きたねこ』 |
2011年6月: 英国会場: ユニコーン劇場 (ロンドン) |
2011年12月: 英国会場: ホテル・ラッセル、ボールルーム (ロンドン) |
2012年2月: リトアニア会場: 国立美術館 (ヴィルニュス市) |
2012年3月: 米国 (初演)会場: ワシントン桜祭り ("日米桜寄贈100周年")オープニング・イベント |
2012年11月: パレスチナ (初演)会場: アルカサバ劇場 (ラマッラ市) |
【演奏風景】
|
|
|
|
© 2023 Motoki Hirai - All rights reserved